ヤマハ・SR500、SR400違い

SR400

結論から先に行ってしまえば、SR400500違い乗り味の違いです。そして大きな違いは同時期の車体であれば、エンジンの部品が2つ違うだけで、後は細かい違いしか有りません。

筆者はどちらも20年以上乗り継いで来ましたが、400も500もどっちも良し悪しが有って、どっちが上か下かとは思いません稀少になったSR500は高いし20年以上前の旧車です。400は新しい年式のは価格が高騰しているし、古いのは500同様、何かしら結局修理する箇所は有ると思います。インジェクションかキャブ、どっちが良いかと言うのも、SRの場合はどっちが必ずしも良いというのは無いと思います。元々がオフロードのXT500をロードスポーツ車にしようという事で始まり、キャブで設計したバイクです。そのキャブも仕様変更が有ります。また2010年からのインジェクション化後にも、仕様変更が有ります。

SRの元となったXT500

SR400と500、エンジンの部品の違い=乗り味の違い

同時代のSR400とSR500の部品的な大きな違いは、クランクとピストンくらいな物で。後はギア比を500がロングに振っている為、スプロケ、チェーン周り等の小さな違いしか有りません。なのでエンジンの違い=乗り味、加速や燃費の違いです。あとは年式によってはポジションが違う等は有りますが。それに自分が合わせるか。気に入らなければハンドル等を交換してしまう。で済んでしまいます。

AAAさんよりオフセットクランク

SR500は割高

SR500は1999年で生産が終わったので、20年以上前の旧車なのに価格が同年代のSR400よりも3割以上高いです。何故ならば、単純に400より売れなかった。つまり生産台数が少ないからです。生産台数も少なければよい個体も少ない。良い物は高くなる。旧車には良くある値段の高くなる、買いたい人には嫌なスパイラルです。

当時不人気による生産台数の少なさで価格が高騰しているZ750FX
左からホンダ・CBX400Fとカワサキ・Z400FX。SRと年代の近いバイク達は凄い価格になってます

日本の免許制度でSRが出た78年は既に施行されていて(75年施行)。95年までは、教習制度で取れる上限が中型二輪(400cc以下)までとなっていました。今で言う大型二輪を取るのは大変でした。SRのメインの市場は日本でしたので、当然中型二輪で乗れる、SR400の方が売れました。しかしヨーロッパでは免許制度が馬力区分と違うので向こうのメインはSR500で、ドイツではベストセラーとなる程人気がでました。

ヨーロッパではこんなカラーだったらしい

割高なSR500。修理や整備もバイクライフの一つで楽しめる人ならば、特に問題は有りませんが。ゴムの部品は当時のままならば、よっぽど保管条件が良く無ければ、交換しないといけない程に劣化しています。出来れば高年式の物を、と言う方も。SR400が日本での販売を終えた事も有って、SR400でも若い個体は価格の高騰っぷりが凄いです。

ファィナルエデション 強気な価格・・

価格を考えずに、比べてみた感想

上記の事を省いた上でイーブンにして結論から言ってしまえば、どっちも良し悪しが有って、絶対にこっちの方が良い、とは言えないと思います。500の良い所と言えば、スペック上はトルクも最大出力も400よりあるので、スピードも出るし。加速も良いのは感じると思います。ですが、500は400よりも振動が強く。逆にスピードを出そうと思わなくなります。心地よい振動も過ぎれば、不快にしか感じなくなります。特に高速道路は80㎞/h以下で走りたくなります。そう500は振動の凄さをどう感じるかで、好き嫌いが解れると思います。

筆者の愛車SR500

また500の方がクランクが軽く(初期型を除く)、低回転では粘りが無い為に、シフトチェンジを適正にしないと。小さい交差点や峠道のRの小さいコーナーでは、ギクシャクして乗り辛いです。クランクの重さは加速にも大きく影響します。500はストローク量が長い(400の67.2㎜に対して500は84㎜)ので、低回転では燃料が爆発する感じを、パルスを感じやすいです。500の方が心地よい振動とタイヤが路面を蹴るような、スロットルをラフに開けた時、馬にムチを入れるような楽しさは有りますが。しかしクランクが軽い分、道中のふけ上がりは良いので。あっという間に振動の強い中高回転域に達して、ギアチェンジをさっさとしたくなります。高回転でのふけ上がりは悪く無いのですが、単気筒ロングストロークエンジンそのものが、高回転まで回るエンジンでも無く得意な領域では有りません。それが示す通り、500の最大出力の出る回転数(6500rpm{FI車と同じ})は、400よりも低い(400は7000rpm)。です。更にロングストロークのホンダGB350なんかは更に低いです。(下図参照してください)

400はショートストロークで500よりも高回転型で、ふけ上がりが良いのですが。また微妙な味付けで、クランクが重いので、高回転でのふけ上がりの足を引っ張っているような感じです。カスタムショップのデモ車で、クランクやフライホイールの軽量化をして、ハイカムを組んで高回転型のエンジンにした(いわゆるNAエンジンのサーキット等でパワーを出す為のメカチューン)SRにも乗らせてもらいましたが。振動が少なくて高回転がパンチのある加速で回せば楽しい。その代わりに低速トルクがスカスカでスピードを出さなきゃ乗り辛かった結局全てが良いと言うものは作れないし、何かを得れば何かを失うのがこの世界の理(ことわり)ですwその辺のバランスは好みによりますし、人によって感じ方は違うと思います。是非自分の体で体験する事。試乗する事をお薦めします。(500の試乗は果たして有るのか・・・?)

SR500が有った事を知らない人も多いので、サイドカバーにSR500と書いてあるのをみて。突っ込まれてしまう事も有りました。

ネジがちゃんとしまってなくて緩んで、立ち上がった時に落ちて割れてしまったサイドカバーの思い出w

400の利点

400の方がパルスも弱いですが、低回転では粘るのでそこでの乗りやすさ。楽しみ方は500には無い部分です。設計が500に対応しているエンジンなので、400の熱量には余裕が有るので。400は耐久性が良いと言われています。でっかいカブなんて言い回しも有ります(全然違うと思いますが)。また400は2021年まで生産されていたので、古い500に手間をかけるのはめんどくさい。500に思い入れが無い。そして普通二輪の免許しか無い人はSR400一択になりますね。また同じようなジャンルにホンダ・GB350も有ります。そちらはそちらの良さが有るので考えてみてはいかがでしょうか。

癖が強いSRなのに更に癖の強いSR500

纏めると上記見出しの通りだと思います。筆者は最新のバイク、カワサキ・Z900RSを最近手に入れてしまいました。SR500に比べると取り回し以外はラクチンの一言に尽きると思います。

しかしSR500の乗り味を定期的に味わいたくなる筆者は、SR中毒なのかもしれません。

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